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Patina|パティーナとは
REPORT

【お出かけルポ】 第1話:素人なのに和裁してみた 。かわいくてお手頃な古着浴衣を大人買い …和裁に挑戦!

大人の嗜みのイメージが強い「着物」

自分できれいに着付けのできる女性ってかっこいいなあ…と思っても種類や道具も色々あり、ちゃんとしたところに着ていけるとかいけないとか、独特な用語もたくさんあって、ちょっとハードルが高く感じてしまったりもします。

一方で最近は、お茶の席など格式高いものだけじゃなく、ラフに着物を着て楽しむイベントも開催されていたり、着物を着る人が増えてきていますよね。

実は私自身も昨年、「もっと気軽に着物を着てみよう!」と古着着物デビューをしたひとり。成人式以来の着物、そしてはじめて自分で着物を着るとあって苦戦しつつも、教えてもらってなんとか「着る」ことはできました。

慣れないと着るのに時間はかかるけど、背筋がしゃんと伸びるというか、やっぱり洋装とは違った良さがあるな!…という感動からあっという間に1年。

これではいかん…と反省し、今年の夏は浴衣を着る機会を増やしてみることに。

「古民家ギャラリーしあん」さんでの古着着物市

伺ったのは、昨年古着着物を購入した、東上野の「古民家ギャラリーしあん」さん。

しあんさんはギャラリーとして作家さんの作品展示や、落語などのイベント、そして年に数回「竹の輪」さん主催の「キモノ里親探し」通称「キモサト」と題して古着市を開催しています。

「行き場のなくなった着物の里親さんを探せる場所」

として、着なくなった着物を誰かに着てほしい人と、着物を着たい人をつなぐキモサト。日本の伝統文化や生活文化を伝えるために定期的に開催しているそうです。

着物を着ることはもちろん、使わなくなったら人に譲ったりしてモノを大切に使うことも日本らしい良い文化ですよね。そして何と言ってもお手頃な価格で着物が手に入ることも魅力的!

今年の夏のキモサトが開催されたのは7/22(土)。

青い暖簾が印象的なしあんさん。

室内には所狭しと浴衣や帯、下駄、そして様々な小物類が並び、掘り出し物に出会えそうな予感でワクワクしてしまいます!

実は既に古着とは別で新品の浴衣を1枚購入していたので、ほどほどにしよう…と思っていましたが、それが難しいのが古着の恐ろしいところ。

普通に買ったら安くても数万円はかかる総絞りの浴衣が5,000円、そして単衣(ひとえ)の着物が2,000円と、一目惚れしてしまった上にお値もお手ごろだったので即、購入することに!

帯や下駄も1,000円程度とかなりお安かったのでついついあれこれ買ってしまいました…

やっぱり着物は柄だけでなく、帯や小物の組み合わせを考えるのも楽しい!…と、夢中で商品を見ていると、店中には男性のお客さんも。

「男性ものの浴衣はあんまり数がないんですね。」と、お客さん。

実は古着の場合、男性の着物はあまり数がないことと、あったとしても昔の人はあまり体格が大きい人が多くなかったこともあり、丈や袖の長さである裄(ゆき)が足りなく、つんつるてんになってしまって着られないことが多いんだとか。

しあんさんでも男性ものは小さめのサイズか、反物が並んでいました。

一から着物や浴衣を誂えるなんてとても素敵だけど、呉服屋さんにお願いするだけでも素人にはかなりハードルが高い気がします。

中には、「いやいや、自分で縫ったって浴衣なら真っ直ぐ縫うだけだから簡単よ〜」なんて言ってのける方もいるけど、実際のところはどうなんだろうという疑問が…

そもそも「和裁の経験がない」というより、

「自分が着るものを自分で作った経験がない」

という人の方が圧倒的に多い今の時代からすると、昔は一般的な家庭でも家族が着る着物を手で縫っていたなんて、よく考えたらスゴいことですよね。

和裁を学ぶには

ちゃんと教室に通えば、きっと縫えるようになるんだろうけれど、一般的にそういった教室を開いているところは、入会金を払って、月に何回と決まった日数通い、「まずは〇〇を作りましょう!」とカリキュラムが組まれていることが多いですよね。

普段仕事が忙しかったりすると、あまりきっちり組まれた教室だと通うのが難しいな…と思いながら探していたところ見つけたのが「岩佐和裁」さん。

岩佐和裁 http://iwasa-wasai.com

岩佐さんは初心者からでも教えてもらえる上に、1回の教室が4時間2,000円になっていて、空席があれば好きな時に行けるというかなりフレキシブルな体制。作るものも自由。自分で反物を持ち込んだりして生徒さんそれぞれのペースで進められるそうです。

さらにホームページにはこんな一文が。

「衣食住で食は資格がない方でも料理はされますし、住は日曜大工があります。衣の和裁だけアマチュアの方が居ないのは不自然です。」

確かに!という納得感と、もっと「生活の一部としての着物」のことを知りたいといと思い立ち、さっそく「岩佐和裁」の教室に行ってみることに。

「岩佐和裁」の和裁教室

「岩佐和裁」さんは北浦和駅からバスで20分ほどのところにあるご自宅で岩佐雅人先生が教室を開いていらっしゃいます。

岩佐先生は、国家検定和裁一級をお持ちの和裁技能士。19歳の頃から東京の上野で和裁を学び、独立後、いまの岩佐和裁を設立したそうです。

着物もろくに着てこなかったわたしは、果たして付いていけるだろうか…そもそも普通にTシャツで来ちゃったけど、着物を着てくるべきだったかな?と教室に入ると生徒さんはラフな格好の方も多く、中には男性も!

和裁の基本「運針」

まず和裁では「運針」という縫い方を学びます。結果的には真っ直ぐ縫うことになるのですが、これがはじめはかなり難しい!

家庭科で習ったお裁縫とは「針の持ち方」が全く異なります。右手の親指と人差し指で挟み込むように布と針を持ち、中指につけた「指ぬき」で針の後ろを押しながら縫っていきます。

針先が布から出たら手早く左手で布を動かすことで縫い目ができていきます。

まずは先生のお手本を見て、練習用の布で「運針」の練習。

しかし、頭では分かっていても最初はなかなか思うように指が動かず、ぐらぐら、よれよれ…針の目が揃わず、指先をぷちっと刺してしまう始末。

手先の器用さには自信があっただけに、これはショックです…

「まず運針の時点で挫折して、来なくなっちゃう方も多いんですよね…笑」と先生が言うのも頷ける難しさ…

しかし、苦戦しながらも練習を続けてみると、だんだん勝手が分かってきてスムーズに縫えるように。普通に縫うよりずっと早くて細かく綺麗に縫えることがわかります。

他の生徒さんが縫っている着物が着々と出来ていく中、もくもくと練習をして、初回の講習は終わりました。

まだまだ先は長い…というかまだ着物を縫いはじめてすらいないですが、たまにおしゃべりもしながら、ちくちくと針を動かすのは想像していたよりずっと楽しい!

指先に神経を集中して、余計なことは考えずしばらく縫って一息つくと、なんだか気持ちがすっきり。なんでもインスタントに買えてしまう時代だからこそ、豊かな時間に感じました。

まずは自分で誂えた着物を大切に着るための第一歩・・・。

 

 

編集部ゆうな

絵を描くこと、ものづくりが好きで高校からデザインを学んで某美大へ。卒業後は企画を学びに代理店に就職。 プランナーという名の何でも屋だったので、マンガ連載や似顔絵作成など、まったく関係ない能力が色々と身につく。ライターとしては勉強中。 今より約10kg以上も太っていた過去が…! 自力で食の勉強をするうちに大の料理好きに。今は痩せた幸せと玄米を噛みしめている。 料理好きが高じて最近では釣りや陶芸、包丁も柳刃や出刃まで揃えて自分で研いだりしているが、「女子力っていうか、凝り性なおじさんに近いよね」という友人の指摘は概ね間違ってはいないと思う。